「Original 12」――初めて登録された12個の世界遺産
世界遺産プラス編集部
2017年08月03日

現在では1000個を超える世界遺産リストですが、最初は12件から始まりました。これらは1978年、アメリカのワシントンDCで開催された第二回世界遺産委員会で決定されたものです。
超有名物件ばかりが名を連ねているのかと思いきや、意外とそうでもないのかも?
  • ガラパゴス諸島

    エクアドル、自然遺産。
    ご存知ガラパゴス諸島です。ダーウィンも認めた固有種の宝庫。世界遺産IDはなんと「1」。
  • キト市街

    エクアドル、文化遺産。
    伝道の歴史を物語る建物が数多く良好に保存されている旧市街。「アメリカ大陸の修道院」の異名を持っています。
  • イエローストーン国立公園

    アメリカ、自然遺産。
    世界初の国立公園。2006年に登録名が変更されるまではそのまま「イエローストーン」という名称でした。自然遺産の登録基準(ⅶ)〜(ⅹ)を全て満たしているという点から見ても納得の選出ですね。
  • メサ・ヴェルデ国立公園

    アメリカ、文化遺産。
    1978年当時は「メサ・ヴェルデ」というそのままの名称でした。アメリカ初の文化遺産は自由の女神でも独立記念館でもなくここ。
  • ナハニ国立公園

    カナダ、自然遺産。
    ヴィクトリア・フォールズという有名な滝があるここが選ばれました。カナダにはナイアガラの滝もあるのですが…そっちは世界遺産にも選出されてませんね。
  • ランス・オ・メドー国定史跡

    カナダ、文化遺産。
    コロンブスが新大陸を発見する約500年も前に既にヨーロッパ人は北米に辿り着いていたという、ワクワクするような世界遺産です。
  • アーヘン大聖堂

    ドイツ、文化遺産。
    カール大帝が建設したカロリング・ルネサンスの象徴的聖堂。何十人もの神聖ローマ皇帝がこの地で戴冠式を行いました。
  • クラクフ歴史地区

    ポーランド、文化遺産。
    かつてのポーランド王国の首都だった場所です。WW2で甚大な被害を受けた同国ですが奇跡的に戦火を免れた中世の街並みが残ります。
  • ヴィエリチカ・ボフニア王立岩塩坑

    ポーランド、文化遺産。
    当時は「ヴィエリチカ岩塩坑」として登録されましたが、2013年に登録範囲を拡大して現在の名称になりました。最初の12件中2件がポーランドの文化遺産という、若干偏りを感じなくもない選出です。
  • シミエン国立公園

    エチオピア、自然遺産。
    「アフリカの天上」とも呼ばれる国立公園です。希少な固有種が生息しています。
  • ラリベラの岩窟教会群

    エチオピア、文化遺産。
    岩を刳り貫いて作られたエチオピア正教の教会群。巨大な十字架型に彫られた聖堂は象徴的であり見事です。
  • ゴレ島

    セネガル、文化遺産。
    いわゆる負の遺産です。奴隷貿易の拠点となりました。初の12件の内にこれを選出したということはある意味世界遺産のあり方についてのひとつの方向性を示したのではないでしょうか。


    いかがでしたか。国が偏ってない?とか、イタリア・フランス・スペイン・中国とか無いんだ?など様々な感想を持たれたかもしれませんね。諸々理由はあるのですが、これを機にもっと世界遺産に興味を持ってもらえたらと思います。