世界遺産 ヴィエトレニツァ洞窟(ラヴノ)
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Photo by © Vjetrenica Public Company
ヴィエトレニツァ洞窟(ラヴノ)について
世界最高の地下生物多様性
登録の最大の根拠となったのは、その驚異的な生物多様性。洞窟内でのみ生存可能な「真洞窟性生物」が200種以上確認されており、この数は世界にある単一の洞窟の中で最多を記録している。特に、光のない環境で独自の進化を遂げた盲目の両生類「ホライモリ(Proteus anguinus)」の主要な生息地であり、数百万年にわたり外部と遮断された生態系が維持されてきた。
気象現象としての「風の洞窟」
名称の「Vjetrenica(ビエトレニツァ)」は現地の言葉で「風の洞窟」を意味する。夏季、外気温の上昇に伴い洞窟の入り口から秒速10メートルを超える冷たく強い風が常に吹き出す特異な現象が特徴だ。これは広大な洞窟内部と外部の気圧差が生み出す気象学的メカニズムであり、この安定した気流と湿度が地下の繊細な生物群を保護する障壁として機能している。
巨大なカルスト地形の記録
地質学的には、世界最大級のカルストフィールド(ポポヴォ・ポリェ)の一部を構成している。洞窟の総延長は約7キロメートルに及び、内部には広大な地下ホールや石灰華段(リムストーン・プール)が棚田のように連なる大規模な造形が見られる。数百万年にわたる水の浸食と堆積が作り上げた、ディナル・アルプス山脈における地質学的プロセスの傑出した見本とされる。
堆積した野生と人類の記憶
自然遺産としての価値に加え、考古学的・歴史的な側面も重厚である。洞窟内からは先史時代の人類の痕跡や中世の碑文が発見されているほか、絶滅した洞窟グマ(Ursus spelaeus)の完全な骨格を含む化石も数多く出土している。古くから人間にとって畏怖と信仰の対象であり、自然史と人類史が交差するタイムカプセルのような役割を果たしている。
概要
| 登録国 | ボスニア・ヘルツェゴビナ | ||
|---|---|---|---|
| 登録年 | 2024年 | ||
| 登録基準 | (x) | ||
| 分類 | 自然遺産 | ||
| その他の特徴 | 洞窟・カルスト | ||
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