世界遺産 メルカ・クントゥレとバルチットメルカ・クントゥレとバルチット:エチオピアの高地にある考古学的・古生物学的遺跡群
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メルカ・クントゥレとバルチットメルカ・クントゥレとバルチット:エチオピアの高地にある考古学的・古生物学的遺跡群について
人類の高地への適応を示す最古の証拠
この遺跡群の最大の価値は、これまで人類進化の舞台と考えられていた低地の東アフリカ大地の裂帯(リフトバレー)とは異なり、標高2,000m以上の高地においても初期人類が極めて早い段階から適応していたことを証明している点にある。低地に比べて気温が低く、酸素も薄い過酷な環境において、人類がどのように生存圏を広げ、独自の生態系に適応していったかを知るための「生きた教科書」となっている。
200万年にわたる連続した時間記録
メルカ・クントゥレでは、約200万年前から石器時代後期に至るまで、人類がこの場所を断続的に利用し続けてきた痕跡が火山灰の層の中に完璧な状態で保存されている。最古の石器文化であるオルドワン石器から、より高度な加工技術を要するアシュール石器への進化、そして現生人類に至るまでの石器技術の変遷と、それに伴う動物化石が同一地点で確認できる場所は世界でも類を見ない。
バルチットと黒曜石の利用
構成資産の一つであるバルチットは、高品質な黒曜石(オブシディアン)の巨大な産出地として知られている。初期人類たちはここで採取された黒曜石を利用して、鋭利な刃物や道具を製作していた。高地の資源を特定し、それを計画的に採取・加工して生活に役立てていたという事実は、人類の認知能力や社会構造の進化を考察する上で重要な鍵を握っている。
子供たちの足跡と生活の記憶
発掘調査では、石器や人骨化石だけでなく、ホモ・エレクトスなどの初期人類のものとされる足跡の化石も発見されている。特に子供の足跡が含まれていることは、ここが単なる狩猟の場ではなく、家族単位での生活や養育が行われていたコミュニティの場であったことを強く示唆している。火山の噴火による灰が、当時の生活風景をそのまま封じ込めた「タイムカプセル」としての役割を果たしている。
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