その他宗教/古代都市/集落 ジブチ の世界遺産

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「アフリカの角」の絶景、ジブチ
地球の裂け目に広がる異世界と世界遺産ゼロの理由

アフリカ大陸の東端、「アフリカの角」と呼ばれる地域に位置するジブチ共和国。
九州の半分ほどの面積に、大地が引き裂かれる「大地溝帯(グレート・リフト・バレー)」のダイナミックな景観を抱く国だ。SF映画『猿の惑星』のロケ地とも言われる荒涼とした奇岩地帯や、死海をも凌ぐ塩分濃度を誇る湖など、世界中の旅人を驚かせる絶景が点在している。しかし、2026年1月現在、ジブチにはいまだユネスコの世界遺産は一つも登録されていない。

ジブチとはどのような場所か?

紅海の入り口という地理的要衝に位置し、古くから交易の拠点として栄えてきた。
「海水の蒸発」と「地殻変動」が生み出した極端な自然環境が特徴で、夏場には気温が50度を超えることもある。現在は、その戦略的な立地から世界各国の軍事拠点が置かれる国際的な顔を持つ一方で、内陸部にはアファール族やソマリ族が古くから受け継いできた遊牧文化が今も息づいている。

なぜ世界遺産が「ゼロ」なのか?

価値ある遺産がないわけではなく、登録に向けた「準備と国内整備の段階」にあるというのが正確な理由だ。
ジブチが世界遺産条約を批准したのは2007年と、近隣諸国に比べて比較的最近のことだった。しかし、近年は政府が観光産業を経済の柱の一つに据え、ユネスコと協力して登録準備を加速させている。2025年には初の登録に向けた推薦書の作成支援プロジェクトが本格化しており、2026年には「アブールマの岩石画」などの候補地を正式に推薦する動きを見せている。

世界遺産級のポテンシャルを持つ場所

ジブチは現在、10もの候補地をユネスコの暫定リストに記載している。その中でも特に世界遺産に近いとされる場所を紹介する。

アッサル湖(Lake Assal)

アフリカ大陸の最低地点(海抜マイナス155メートル)に位置する、目も眩むような塩湖だ。

  • 概要:周囲を真っ白な塩の結晶に囲まれ、中央には鮮やかなエメラルドブルーの水面が広がる。
  • 価値:塩分濃度は約35%に達し、中東の死海をも上回る世界最高レベルの塩分を誇る。この過酷な環境が生み出す結晶の造形美は、自然遺産としての価値が極めて高い。

アブールマの岩石画(The Rock Engravings of Abourma)

ジブチが「最初の世界遺産」として最も有力視している文化遺産候補だ。

  • 歴史的価値:新石器時代(約3,000年前〜)に描かれた900点以上の彫り込み画が残る。
  • 描写:現在は乾燥した不毛の地だが、当時はキリンやダチョウ、アンテロープが駆け巡る豊かな草原だったことを示しており、人類と環境の変遷を記録した貴重なアーカイブとなっている。

アベ湖(Lake Abbe)

エチオピアとの国境に位置する、この世のものとは思えない光景が広がる場所。

  • 煙突の森:「チムニー」と呼ばれる、地下からの蒸気によって形成された無数の石灰岩の塔が立ち並ぶ。
  • 異界の風景:日の出とともに蒸気が立ち上り、フラミンゴの群れが飛び交う様子は、まさにSF映画の世界そのものだ。

これからのジブチと遺産

ジブチ政府は、世界遺産登録を単なる名誉ではなく、持続可能な観光開発のチャンスと捉えている。
現在進められている国内法の整備や保全活動が実を結べば、近いうちに「世界遺産ゼロの国」を卒業する日が来るだろう。観光客がまだ少ない今、地球の鼓動をダイレクトに感じるこの未開の地を訪れることは、冒険者にとって最高の贅沢と言える。

※本記事の情報は2026年1月時点のものである。現地の最新情報については政府観光局や公式サイト等で確認されたい。

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